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理事長所信

Belief Expressd
第66代理事長 日和﨑 守
公益社団法人 高知青年会議所
【第66代理事長】

日和﨑 守

Hiwasaki Mamoru

はじめに

私は生まれてから18歳までこの高知で育ち、都会への憧れもあり大学での学生生活と初めての社会人生活を関東で過ごしました。県外在住中、故郷高知の良さを自分なりに考え、「人が温かい・優しい」「自然が豊か」「食べ物が美味しい」この3つが高知の良さと認識しておりました。しかし実際は高知のみならず、どの地方においても当てはまるような表面的な良さしか見出せていませんでした。その後約10年を経て、Uターンで高知に帰って参りました。高知に帰り1年も経たないうちに高知青年会議所に入会致しましたが、まだまだ表面的な判断しかできない当時の自分は青年会議所活動の本質も見えず、年上の先輩が中心となった事業構築に馴染めず、十分な活動もせぬまま冷めた感覚で5年間を過ごしました。しかし6年目にして見た高知青年会議所は入会当時から大きく変わって感じました。当時60周年という節目の年でしたが同世代や私より若いメンバーが増え、彼らが事業を構築し一生懸命に汗を流していました。それを目の当たりにした私は取り残されたような、恥ずかしいような気持ちになりました。 しかしそんな私に対して同世代のメンバーは一緒に青年会議所活動をやらないかと声を掛けてくれ、そのお陰で私は少しずつ活動に携わるようになりました。そこから高知青年会議所内の仲間が増え始め、彼らの考え方にふれるにつれ自分自身の青年会議所活動に対する意識が受け身から積極的な行動へと変化して参りました。青年会議所活動が地域の為に、過去からその時代々々に起こる問題を直視し、あるいは近い将来で起こるであろう出来事を含めた問題の解決に向けた取り組みを行い続けてきた事。やっと今になってこの活動の本質というものが解り始めました。今年一年間で行う活動には限りがありますが、その中で今、私たちがやらなければならない事はこの青年団体の持つ力を後世に繋いでゆく事です。

開物成務

~人知を開発し 事業を成就させ 世の中を良き方向へ導く~

 

かつてこの高知には、現在の九反田公園に開成館という建物がありました。そこには国の行く末を案じる若者達が集い、富国強兵を目指し並々ならぬ決意で様々な行動を起こしました。それらの行動、思いが世を動かし、一連の明治維新に繋がったという歴史があります。開物成務「万物を開き務めを成す」とも読むこの四字熟語をご存知でしょうか。人々の知識を開発・啓発し、新たな事業にチャレンジし成功させ、世の中を良き方へ上手くいくように導くという意味です。開成という文字はこの四字熟語から来ており、そこから開成館は名付けられました。現在でもその考え方に共感した多くの学校や団体等に、開成という言葉は使われています。さて、改めて現在我々の取り組む青年会議所活動の掲げる目的は「明るい豊かな社会の実現」であり、我々の活動はそれに向けた目標や手法でなければ意味がありません。単に自分達が楽しいだけの事業の構築や実施では、青年会議所活動とは呼べず、単なるサークル活動にしかなりません。そして理事長や一部の執行部だけで事業の構築は行うのではなく、会員皆が一丸となり取り組むものです。それは今も、昔も、これからもです。明治維新では多くの土佐出身の偉人達が活躍しました。坂本龍馬、中岡慎太郎、後藤象二郎、吉田東洋、板垣退助、岩崎弥太郎、中浜(ジョン)万次郎、近藤長次郎等々。誰一人として欠けても歴史は変わり、今の日本は無かったもしれません。我々も同じです。この高知青年会議所に属するメンバーは誰一人として欠けてはならず、青年会議所運動を通して我々が住む地域を我々自身が良くしていく事業を実行して参ります。その為にも同じ思想を共有しベクトルを合わせながら、我々自身も新しい学びを得て日々成長し続けていかなければなりません。青年会議所活動とは正に開物成務であります。我々の活動に終わりはありません。目的を変えることなく、これからに繋げるべく一年間後悔の無い活動をして参ります。

節目の年

高知青年会議所において10周年毎の記念式典は今までも行って参りました。今年65周年を迎えるにあたり、今まで行うことのなかった5周年での節目で記念式典を行います。「65」人間で言うと定年を迎える歳で引退を思わせる数字かもしれませんが、見方を変えると一つの区切りであり、これからに向けてステージを変える新たな挑戦の始まりの年でもあります。また次の世代につなげるという意味では、高知青年会議所60周年事業を経験し次の70周年の際にも在籍できるメンバーはわずか5人程度です。他の青年会議所や四国地区協議会、若しくは高知ブロック協議会の式典に参加するという経験はあっても、実際に設える側に立つ機会はそう多くありません。故に60周年を経験したメンバーがまだ多く在籍している本年度に70周年に向けてまだ入会の浅い若いメンバー達に自分達で設える経験を積んでもらいます。我々高知青年会議所も過去先輩方が築き上げられた活動を振り返ると共に、次の世代に向け新たな取り組みを開始する記念すべき年とします。

歴史を学び、誇りを持つ

次の世代につなげるというのは何も高知青年会議所に所属するメンバーに限ったことではありません。過去においても高知青年会議所活動の中で青少年に向けて時代々々に合った、また理事長の思いを形にした青少年育成事業を行って参りました。青少年育成事業の重要性を思う気持ちは、今までもこれからも引き継がれて参ります。それ故に本年度も若者達に夢を与えることのできる、感動や学びの多い青少年事業を行うことで明るく豊かな未来に繋げていきます。高知が明るく豊かな社会を実現する為に、今後の高知を担う若者達に高知を愛するという気持ちをもってもらう必要があります。その気持ちを持つためのベースとなるのは誇りを持つという事ではないでしょうか。当然高知には「人・自然・食」という、他県にも引けを取らない素晴らしいものが揃っていると誇りに思えるものがあります。しかし我々が感じている高知の誇りは、自分達が見聞きし体験したものに偏ってはいませんでしょうか。歴史においてはどうでしょうか。学生時代、皆が日本史という大きな流れを学んだことと存じます。しかし先に述べた多くの偉人達が活躍し歴史財も多く残るこの高知について、どれだけの市民・県民が語る事ができるでしょうか。恥ずかしながら私自身も高知を代表する偉人といわれる坂本龍馬についてさえ満足に説明する事ができません。高知県が昨年度の大政奉還150周年、また本年度の明治維新から150周年ということから歴史に力を入れたイベント幕末維新博を開催中という事は皆さんご周知の事と存じます。また2017年、高知城前に高知城歴史博物館が完成致しました。これを契機に一人でも多くの若者が高知の歴史を学び深く知る事で、新たな誇りとこの街をより良い方向へと導く新たな発想が生まれてくる。そういった事業構築を行って参ります。

出る杭は打たずに活かす

日本には「出る杭は打たれる」ということわざがあるように、突出した才能や手腕を持つものは妬まれたり、時には制裁等を受けてきました。その結果「他人と異なる(目立つ)事は悪いことである」という考えが浸透しており、自身の持つ能力を発揮できていない日本人が多いのではないでしょうか。この考え方は小さな社会での場合には目的に沿った形だったかもしれませんが、これからの時代には全くそぐわないと考えます。1990年代にアメリカで生まれたダイバーシティという考え方があります。「Diversity and Inclusion」を略したこの言葉には様々な解釈の仕方がありますが、私の掲げるダイバーシティとは「多様性の受容」です。人間には多くの個性があります。国籍・人種・民族・性別・年齢・体形・価値観・宗教・生き方・考え方・性格・態度等、全てが同じ人は存在しません。これから必要なのは個々の違いや多様性を受け入れて、さらにその多様性を個々の成長や事業の発展に活かしていくという事が求められています。高知青年会議所でも一人一人のもつ個性を活かしながら、明るく豊かな社会の実現へ向けた人材を育て上げる必要があります。

多様な人材の受け入れ

私は本年度を持ちまして、青年会議所の定年である40歳を迎えます。今後私や私と同世代がこれまでの経験に基づきいくら新しいアイデアを考えついても青年会議所活動として実現することは叶いません。むしろ人間は自ら考え行動する事でこそ成長する生物なので、経験者がいつまでも意見するようでは若い世代が自分達で何かを成し遂げようとする事を阻害しかねません。そう考えると40歳での定年、卒業は丁度良い時期なのかもしれません。改めて青年会議所では多くの経験を積むことができ、人間を成長させてくれる場だと私は自信を持って言えます。それ故に、この青年会議所運動を止めてはなりません。その為にダイバーシティの考えの元、現在メンバーとして入会されていない業種や職種等幅広く迎え入れる事により、新たな知恵や知識を取り入れる必要があります。その様々な個性がこの街を変える原動力となる事を信じています。また一人でも多くの若い世代を迎え入れ続け、更に後世に繋ぐ循環が必要です。それこそが会員拡大であり、力を入れ続ける必要があります。

新たな文化の継続と継承

高知には他県と比べても見劣りしないどころか、群を抜いて素晴らしい歴史・文化・伝統・芸術・食・自然等が多くあります。その事を老若男女問わず気兼ねなく参加でき、学びながら楽しめる特別な場というのがイベントを主体としたお祭りであると存じます。土佐風土祭りはそれらの要素を含み、高知が活気に溢れ多くの参加者に評価頂くと共に楽しんで頂けました。しかし開催にあたり多くの苦労も経験したことから、2回目の開催から2年間開催には至りませんでした。その問題を解決すべく3回目は高知青年会議所だけでの開催でなく実行委員会を立ち上げ、そこに多くの民間企業・大学・青年団体にも参加して頂き開催に向けて取り組んで参りました。結果実行委員会では我々の青年としての意見の上に実行委員会メンバーの多くの経験や知恵が加わり、成功に向け相乗効果を生みました。4回目もこの祭りの開催に向け実行委員会に我々が参画すると共に、更に様々な企業や団体等を巻き込んでゆく活動を行います。フェスティバルとして高知に根付き毎年成功を収めているよさこい祭りと同様に、この土佐風土祭りも未来永劫続き、また一つ高知の魅力・一つの文化となることを信じ成功に繋げてゆきます。また実行委員会を立ち上げたとはいえ、まだまだ活動の主力となっているのは高知青年会議所というのが現実です。参加者が学びと楽しみを感じ地域経済にも貢献でき地域から必要とされる祭りに育てることで、高知青年会議所主体の開催から実行委員会主体の開催へと継承を実行して参ります。

多くの人に知って頂く

我々が行う青年会議所活動は地域の人々に評価される為に行っている訳ではございません。また自己満足の為の事業や活動でもございません。「明るく豊かな社会の実現」に向けた、青年世代の民意が私の思う青年会議所活動です。しかし活動を通じ関わっていくメンバーそれぞれが成長しているのもまた事実。地域の為に失敗を恐れず、小さな枠に捕らわれない我々青年世代がこの高知にも存在し、個々の成長に繋がる団体であるという事は、自信をもって公言して参りたいと存じます。ただ我々の活動やその思いがどれだけ多くの人に伝わっているのでしょうか。一人でも多くの県民・市民に伝播し共感頂く事で、その人々を巻き込みながら高知を良くしていく。そのような広報活動を展開していきます。また広報活動は発信だけでなく、どれだけの人数に正しく伝わっているか効果測定を行います。数字でその情報の伝わり方を把握する事により、無駄な広報を省き効果的な広報活動に専念できます。広報のやり方が時代々々で変われど、その考え方が根付けば今後の高知青年会議所のブランディングの向上に大いに寄与すると存じます。その為には金銭で解決するのではなく、我々が青年として知恵を出しあい汗を搔く。それ以外に方法はないと考えます。決して簡単ではありませんが、今までのものをブラッシュアップしながら今まで取り組んでいない広報活動を展開して参ります。

多くの学びの機会

日本には全国各地に696の青年会議所があります。当然我々と同じように他の青年会議所でも自分達が住む地域を良くしようと青年会議所活動を行う志の高いメンバーが数多く存在します。そんな同志達が自らの住む地域を超え、日本を、それぞれの地方を、それぞれの都道府県を良くしようと日本青年会議所本会、またはそれに与する組織に集っており、そこには全国各地から自分達の手で世の中を動かそうという意識を持ったメンバーが多くいます。同世代でありながらそこで活躍するメンバーから私も多く学ばせて頂きました。また出向での経験が、私の地域に対する意識も変えてくれたのも事実。多くのメンバーが出向する事で、多くの機会と学びが必ず出向者の成長とその後の高知に対する行動に繋がると信じております。またそこで生まれた友情はかけがえのないものであり、その絆は各々の人生においても意識を高めあえる素晴らしいものであります。それ故に多くのメンバーを輩出できるような支援をしてゆきます。

良い地域社会を作るために

1969年4月1日、全国で7番目に高知市民憲章は制定され、制定に向けた活動の当初から高知青年会議所は携わって参りました。2019年、高知市民憲章は50周年を迎えます。改めて高知市民憲章とは高知に住む住民がお互いに横の繋がりを持ち、より良い生活を築こうという考えで、市民としての誇りを持ち、自ら作った環境に貴任を感じ、その文化を尊重し継承するという市民の合意や約束を表したものです。この高知市民憲章が2019年に50周年を迎えるにあたり、その歴史を改めて振り返る事で必要性を再認識し後世に繋いでいく必要があります。その為に本年度高知市民憲章50周年に向けてしっかりした準備をして参ります。

結びに

本年度は明治維新から150周年であり、高知青年会議所の65周年であります。また和暦の平成は30年で終わりを迎える年とも報道されており、私自身も40歳で青年会議所活動に終わりを迎える年です。何かと幾つもの区切りを迎える年ですが、新たな始まりに向け一歩踏み出し始める年でもあります。本年度は開物成務をスローガンにメンバー一丸となり、高知と高知に住む人々と我々高知青年会議所が明るい未来へ繋がる年とするべく活動して参ります。一年間何卒よろしくお願い申し上げます。