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理事長所信

Belief Expressd
第73代理事長 弘田 超
公益社団法人 高知青年会議所
【第73代理事長】

弘田 超

Koyuru Hirota

未来を超えろ
〜多様性と共感で描く新時代〜

御礼

昨年、公益社団法人高知青年会議所は記念すべき創立70周年の節目を無事に迎えることができました。これもひとえに、地域の皆様、行政、企業、そして数々の団体の皆様からの変わらぬご理解とご協力があったからこそです。「明るく豊かな社会の実現」への決意を新たにし、また新たなるスタートラインに立つことができました。

これからもJAYCEEとしての強い使命感を胸に、全身全力で青年会議所運動を推進し、発信して参ります。そして先輩諸氏が紡ぎ出した豊かな遺産を受け継ぎ、次の世代へと引き継いで参ります。
70周年の大きな節目が過ぎた今、一層深まった責任感とともに、これからも地域の発展と社会の繁栄に向けた活動に邁進して参ります。

はじめに

青年会議所との出会いは生まれ育った土佐清水で、私が高校生の時でした。高校生だった私は「あしずりまつり」という土佐清水市のお祭りに参加し、ゴミ拾いやポスターの掲示、看板を立てるなどのボランティア活動をはじめ、高校生で踊りのチームを結成し、参加したことが青年会議所という団体を知ったきっかけでした。

JCという言葉すら知らなかった当時の私が、JCの皆さんと共に活動し、背中を見ていく中で、自分も大人になったら地域のリーダーとして地元に恩返しができる人間になりたいと強く思った事を今でも覚えています。

そして私は2016年高知青年会議所に入会しました。今度は自分が地域のために、地域のリーダーとしてまちを変えていく。そんな使命感を持ってこれまで取り組んで参りました。ウィズコロナ・アフターコロナという、前例のない変革期を乗り超えていくためには、私たち全員、一人ひとりが若きリーダーであるという自覚を強く持ち、青年会議所の仲間一人ひとりが繋がり、行政や多様な団体と連携し、私たちが全力で、全情熱を込めた活動で「明るい豊かな社会・高知」を創造していきます。

今年のスローガンは「未来を超えろ」です。
未来は自ずと来るものであり、時間は自然と過ぎ去っていくものだと思います。我々は追い越すことが不可能な未来を超越し、未来を切り開いていくという意気込みを持って運動を展開していきます。

誰もが参加できる
サスティナブルな青年会議所へ

持続可能な未来を築くために、誰もが参加できる青年会議所へと進化させることが今必要です。それは単に環境的な持続可能性だけを意味するのではなく、社会的、経済的、そして文化的な側面も包含します。

青年会議所は、青年が集まり、地域社会のために力を尽くし、自己成長していく場所です。それはその人が持つバックグラウンドや専門知識、様々な個性を持つ人々が集まり、多様性が尊重される場所でなければなりません。
しかし、古くからの「しきたり」や、時代に合わない組織文化・風潮が残っていることも事実です。
多様性を大切にし、女性やZ世代の若者、様々な働き方をする人たちが参加できる組織を目指すことで、組織に新たな視点とアイデアをもたらし、より広範で深い影響を地域社会に与える力を生み出します。

この多様性が、私たちの持続可能な未来を築くための創造的なアイデアや解決策をもたらします。多様な意見や視点を共有することで、課題解決の新たなアプローチや革新的なアイデアが生まれ、地域社会へのより深い理解と共感が育まれます。
「誰もが参加できるサスティナブルな青年会議所へ」のテーマは、すべての人々が、持続可能な未来を築くために一緒に力を合わせることを意味します。それは私たち全員の責任であり、メンバー一人ひとりがその達成のために必要な人財です。

青年会議所はその「場所」であり、私たちがその未来を共有し、形成し、実現するためのプラットフォームでなくてはなりません。多様性を尊重した組織作りを目指し、多様な価値観や視点を持ち寄ることで、高知青年会議所の魅力をさらに高めて参ります。

子ども達の心を揺さぶる青少年育成事

新型コロナウイルスの影響は、子どもたちにとって大きなものでした。学校に行けず、友達との会話もできない状況が長期間続き、私たちの幼少期とはまったく違う経験を強いられました。子どもたちはコロナ禍で貴重な社会的な経験を失い、それが結果として体力の低下などにつながっているとも言われています。

また文化活動においても、コンサートや演劇、その他たくさんのエンターテインメントに触れる機会も失われ、心を揺さぶられるような人生体験をすることができなかったのではないでしょうか。

子どもたちの失われた時間を取り戻すために、青少年育成事業を実施します。この事業を通じて、子どもたちが過去3年間で経験できなかった社会性と豊かな心を育み、共に成長していくことを目指します。

会員拡大とブランディングの向上

2024年度も引き続き「理念共感」を重視し、会員拡大に取り組んでいきます。組織の存続と成長は、会員数の拡大が不可欠であり、そのためには理念の共有と理解が必要です。
当会議所の会員数は100名を越えていましたが、過去数年間で約半数へと大幅に減少しました。その一因は、青年会議所の理念が十分理解されていないことが大きな要因のひとつだと考えます。

そして、高知青年会議所のブランディングを強固なものにするためには、時代に合わせた広報戦略が不可欠です。デジタルメディアを活用した情報発信を強化し、地域との協働を強め、地元メディアとの連携を通じて存在感を高めます。効率的な運営システム、時代に沿った広報、そしてブランディングの向上が三位一体となることで、高知青年会議所の会員拡大にも大いに貢献します。

「人を集める組織から、人が集まる組織へ」
理念共感の基盤となる理念教育システムをさらに強化し、新たに入会するメンバーはもちろん、現役メンバーも再度、青年会議所の理念とその意義を深く理解し、共感できるような教育システムを再構築し、退会者を防ぎ、会員の純増を目指します。

出向による組織への還元と自己成長

私が考える出向における最大の魅力は、各地青年会議所の仲間との出会いです。他の青年会議所のメンバーと協力して、LOMとは違うスケールの事業を共に汗をかき、一緒に成功を味わう経験は本当に特別なものです。この経験は青年会議所の枠を超えて、人生そのものを豊かにする力があります。

さらに、出向は自分自身を成長させる絶好の機会です。新たな考え方を学び、受け入れることで自己成長を遂げるだけでなく、その成長した経験や知識を、高知青年会議所に還元し、全体の発展につなげることができます。

実際に出向を経験しなければその本質を理解するのは難しいという意見も多くあります。出向することにより、個人の成長を遂げると同時に、それが高知青年会議所の発展にも寄与すると信じています。

新時代の組織運営

新型コロナウイルスは私たちに経済的悪影響を与えた一方で、新たな生活様式を促進し、デジタルの時代を加速させました。これは青年会議所の活動にも大きな影響を及ぼし、今やテレワークやウェブ会議は日常的なものとなり、時間をより効率的に使うことが可能になりました。

青年会議所の活動は、仲間と一緒に長い距離を移動したり、時には物事を遠回りして解決することも魅力の一つですが、時間は常に限られています。また、仕事の都合で青年会議所の活動に参加できない人も多くいます。2024年度はどんな職業、どんな能力の人でも全員が活動に参加でき、創造性を発揮できる効率的なシステムの開発に取り組みます。これにより、青年会議所の活動をより包括的で、より価値あるものにしていきます。

結びに

日本では昨年よりコロナウイルスの対策が緩和され、2024年はまさに新時代の幕開けを感じる年となりました。私は本年40歳を迎え青年会議所活動の終わりを迎えますが、これまで関わっていただいた全ての皆さまに感謝し、1年間理事長の職を全うして参ります。何卒ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。